偏光レンズとは

偏光レンズとは

偏光レンズについて

強い日差しを避けるために皆様が使用するサングラス。そのレンズの種類の中に「偏光レンズ」と呼ばれるものがあります。
都合の悪い光を防いでくれる、通常のカラーレンズの一段上を行くレンズ。それが偏光レンズです。
おススメのシーンとしては

マリンスポーツ全般
スキー、スノーボードなどのウィンタースポーツ
ゴルフ場の芝の上の乱反射への対策
日差しの強い真夏や、冬の雪の照り返しの反射の対策

などなど、基本的に屋外の日中でまぶしさを感じることがある環境であれば、心強い味方になってくれます。

偏光レンズの仕組み

通常、陽の光というのは地上にある様々なモノに当たって乱反射して横方向に光が偏って目に侵入してきます。眩しさを防ぐためには色の入ったサングラスを掛けて対処するわけですが、川面の乱反射やフロントガラスの反射など、複雑な乱反射をしたギラつきのある光は、自然光の7～10倍に相当することもあります。もしこれをレンズカラーのみで抑えようとすると濃度をかなり濃くしなくてはならなくなり、可視光線透過率が低くなり過ぎて大変使いにくいサングラスになってしまいます。（可視光線透過率とはレンズが光を通す％の事で、少なくなるほど光や紫外線を防ぎますが、その分レンズは濃くなります。１５％ぐらいまでが適当とされていて１０％を切ると、とても使えないものになります。例えばもし０となると光を通さないということになるので何も見えないということになります。）

そこで、集中した一方向の光を抑えるために、一方向の光だけを通さないフィルムが開発されました。それを偏光フィルムと言います。その偏光フィルムを２枚のレンズで挟み込んだレンズ。それが「偏光レンズ」です。

偏光サングラスのタイプ

偏光レンズにはいくつかのタイプがあります。

・クリップタイプ

お手持ちのメガネにクリップ止めで重ね付けする偏光サングラスです。すぐ使えて便利です。欠点はポリカーボネート製なので傷がつきやすいことと、若い人にはそのデザインが敬遠されることでしょうか・・・。

・既製品の偏光サングラス

注意点は後ほど詳しく紹介いたしますが、偏光レンズの特性上、歪みが出やすいのと、正しく偏光をするためにはレンズの水平が保たれているかが重要になるため、確かな品質かつ、フィッティングが正しくできているかが問題になってきます。もちろん当店では正しいフィッティングでお渡ししています。

・度付き偏光レンズ

お客さまの度数に合わせてお作りできます。
レンズタイプにはプラスチックタイプとガラスタイプがあります。
偏光レンズは高屈折率レンズの商品が少ないため、お度数とレンズの組み合わせによっては厚みが出てしまうことがあります。その場合は小さめの玉形デザインのフレームをお選びいただくと仕上がりが比較的キレイになります。
強度数の方も敬遠なさらずにまずはご相談ください。

画像はｐｌｕｓ　ｍｉｘ偏光レンズでの度付き加工

偏光レンズのメリット

跳ね返ってくる光を抑えるサングラス。非常にクリアな視界が手に入ります。例えば夏の暑い日でのクルマの運転やスポーツのとき、思わぬ反射光で目が眩む・・・。良くある事と思いますが、それはとても危険な状況です。偏光レンズを使用すればその危険を回避することができ、通常のサングラスよりもさらに安全にご使用いただけます。
また、釣りや川遊びでの川面の乱反射。裸眼では水中など、とても見えたものではありませんが、偏光レンズを使用すればすっきりと覗くことができます。趣味がより一層楽しめるようになるでしょう。

このような照り返しのある川の中の様子も・・・

偏光レンズだとかなり深いところまで見えます。

さらに反射光は目が眩むほどの強さ。目の健康にとって大敵です。紫外線カットのUV400と合わせて偏光レンズを使用していただくことで、眼病予防の効果が高まります。
偏光レンズのデメリット
そんな便利な偏光レンズですが、その特殊な構造から少し制約があります。
まずレンズの厚みです。
さきほど説明いたしましたが、偏光レンズの構造は偏光フィルムをレンズでサンドイッチした構造です。そのため度付きレンズをお求めになる場合、度数の強い方が大きいフレームを選んでしまうと、レンズによっては大変分厚くなります。高屈折のものをお選びいただくと薄く仕上げることも可能なので、是非ご相談ください。

偏光レンズのカラー濃度

光の乱反射で何倍にも強くなった光のギラつきを抑える訳ですから、どうしてもレンズ濃度が濃くなります。そのため、UV400レンズのように薄いカラーで、夜間運転可の偏光レンズは一部に限られます。ですから主な使用は日中の明るいところに限られると思います。

偏光レンズの弱点

偏光レンズは熱と水に弱いという弱点があります。まず熱ですが、これも構造上、レンズ部分とフィルム部分があるため、強い熱が加わった場合に変形する際の膨張率が違います。そのため、熱変形により偏光フィルムが裂けてダメになってしまう場合があります。
そして水ですが、長時間水に浸かりますと偏光フィルムが水を吸ってしまうためにこれもまた変形を招きます。偏光レンズにとって熱と水は厳禁と言えます。
そのため、例えば夏場の車のダッシュボードに置き忘れてしまったり、川釣りで夢中になりすぎて長時間水に浸してしまったりといったことは避けたほうが賢明です。

ちなみに、この弱点は大きい小さいはありますが、通常のプラスチックレンズにも同じことが言えます。高い熱が加われば表面の傷防止のトップコートが傷みますし、水滴をそのままにしておきますと水を吸ってしまいそのままシミになります。
眼鏡屋の立場からすると、偏光レンズの弱点は申し上げなければならない部分としてありますが、要は通常のメガネと同様に大切に取り扱っていただければと思います。
また、これらは少し前までは一般的な偏光レンズにすべてに言えた事でしたが、近年では偏光板を挟み込むことなく、コーティングとして偏光膜を接着する技術等も開発され、以前ほど不自由もなくなってきていることも事実です。

偏光レンズ一番の泣き所、それは歪み

これもまたレンズの構造上発生するものなのですが、強い力がレンズに加わると偏光膜が歪み、それがそのまま見え方に影響してきます。
メガネ専門店を名乗るお店ならほとんどのお店が店内にレンズの加工機を持っていますが、偏光レンズを加工する際にフレームにフレームにレンズをセットする際に水平方向を保ちながら、さらにフレームの締め具合に偏りが出ないようにしっかりレンズをカットする技術。
そうした偏光レンズに対する知識と技術が必要になってきます。レンズカーブとフレームカーブが合わないまま調整したり、あるいはレンズサイズが大きいままフレームインするような仕上げ方では歪みが残ります。
メガネのコミヤマでは熟練の技術者の手により正確なレンズカットとカーブ合わせを行っております。
さらにお客様のご希望により歪みの出にくいジョイニングシステムなどの加工技術を用いて、偏光レンズには特に注意して加工に取り組んでいます。（ジョイニングシステムを使用しますと、歪みのない快適な度付き偏光サングラスが製作できますが、レンズが通常の製作方法に比べ、フレームから外れやすくなる他、年に一度の定期メンテナンスをお願いしております。）
また、偏光フィルムを挟み込むタイプの偏光レンズだけでなく、歪みにくい偏光コーティングを用いたレンズのおススメもしておりますので、お気軽に店員にお問い合わせくださいませ。

偏光レンズは通常のカラーレンズと違い、とてもクリアな視界が手に入る優れものです。ギラつきを抑えるというその効果は一度ご使用いただくとその素晴らしさがご理解いただけると思います。そんな魅力の偏光レンズ。デリケートな商品だからこそ信頼のおけるメガネ店でご相談いただきたいと思います。
当店ではテストレンズを置いており、その効果が確認できます。
ぜひ偏光レンズのご相談はメガネのコミヤマへお越しください。

おまけ

最後に偏光レンズのおもしろい見分け方をご紹介します。
ご自身のお持ちのサングラスで
「これ偏光だって言われて旅行先で買ったけどほんとに偏光かな？」
「これなんて言われて買ったかな？そもそもどこで買ったんだっけ？」
こんなサングラス、ご自宅にありませんでしょうか？

偏光レンズかどうか確認する方法
まさに目には目をではございませんが、「偏光レンズに偏光レンズを」重ねることで確認ができます。
偏光レンズをひとつはそのまま水平に。ひとつは９０°に縦向きにして重ねてみます。視界が真っ暗になれば偏光レンズです。一方向の光だけを防ぐレンズを縦と横の両方に使用するわけですから視界が真っ暗になるわけですね。
とは言いましても偏光サングラスをそうそう二つもお持ちでは無いと思います。ご確認になりたい方はお気軽にメガネのコミヤマへお持ち込みください。